『半沢直樹』『銭の戦争』最近の高視聴率ドラマの傾向とは?2015

ドラマ高視聴率の考察

「やられたらやり返す、倍返しだ!」

という言葉が流行語にもなった『半沢直樹』や、
スマップの草なぎ剛と元AKBの大島優子というアイドルっぽいさわやかなイメージを持った二人が復讐劇を繰り広げる『銭の戦争』が最近のドラマの中で高視聴率をおさめ、記憶に新しい。

どちらのドラマも、従来どおり人気俳優や女優を配置しているのだが、
内容的には従来のドラマよりも特殊で、異色なドラマだったにもかかわらず、
視聴率が低迷しているテレビ業界の中でもこの高視聴率をとることは快挙ともいえるだろう。

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恋愛ドラマが求められていた時代!?

これまでのドラマのヒット作品はなんと言っても恋愛ドラマが圧倒的に多い傾向にあった。

【名作】101回目のプロポーズ

1991年に放送された『101回目のプロポーズ』

主演は浅野温子と武田鉄矢と話題性のある二人を起用した。

浅野温子は、婚約者を結婚式当日に亡くしており、再び恋をして、再び恋人を失うことが怖いという女性の役を演じた。
それに対し、武田鉄矢は今まで99回もお見合いをしたにもかかわらず、全部失敗し、それでもまっすぐに人を愛そうとする役を演じた。

ダンプカーの前に飛び出し、ダンプカーに間一髪でひかれなかった瞬間に、

「僕は死にましぇん」

と叫び、見事プロポーズを成功させるという感動的な恋愛物で当時話題になった。

世界の中心で愛を叫ぶ

その後2004年にヒットした『世界の中心で、愛を叫ぶ』も死んでしまった恋人との恋を忘れられない主人公が、恋人が17年前に思い描いていたウルルという世界の中心の地で、愛というものを考え、愛を叫ぶという涙なしでは見られない内容だった。

ケータイ小説から生まれた【恋空】

2008年にドラマ化された『恋空』は従来の原作とは違い、携帯で女性が書き上げた実話の小説がケータイ小説として話題になった。

書籍化、映画化され、ドラマともなり、この物語も主人公の女性が、末期がんで恋人の男性を亡くし、自殺をはかったり忘れらずに苦悩するが、彼との子を身ごもっていることを知り、産もうと決意し、希望を取り戻すまでの経緯を描いたノンフィクションの恋愛物である。

もちろん、『相棒』や『渡る世間は鬼ばかり』のように長く続く恋愛物以外のヒット作もあります。
それでも、心温まるヒューマンものを描くものが多い傾向があると言える。

恋愛ドラマより復習劇!?

しかし、近年の傾向はそれに逆行したドラマがヒットしています。

『半沢直樹』は銀行につとめる会社マンが不正や問題を犯す会社の裏の面に直面し、正義感がるが曲者でもある主人公・半沢直樹がそういった社会の裏の部分を「くそったれ!」というネガティブな感情を原動力にかえ、爽快に上司と戦っていく姿を描いてあります。

これは、恋愛的な要素もなく、登場人物も少なく、当初は男性会社員が思う感情を代弁しているストーリー性のため、3,40代の男性会社員をターゲットしており、高視聴率をたたき出すように製作側も思ってドラマを作ってはいなかったようだ。

だが、この半沢の社会に対する負の感情を真っ直ぐに出すところや、
立ち向かっていく姿に、多くの人が共感し、高視聴率をとることになったのだ。

『銭の戦争』は、主人公(草なぎ剛)が亡くなった父の借金の返済と、父を追い込んだ闇金融会社の復讐をしながら、主人公が失った自分の人生を取り戻そうとするというストーリーであり、「復讐」や「憎悪」といったあまりいいイメージをもたれない感情を前面に出して話が展開していく。

これも、『半沢直樹』同様、楽しい要素や感動要素というようなものはあるにはあっても非常にすくなく、むしろ人間や社会の闇を描いたネガティブなイメージのドラマをシュールに、時にはコミカルに描くことで人々の共感を呼ぶことになった。

つまり、今の視聴者が求めているものは、恋愛物や感動物ももちろん求めますが、
自分が普段思っていることや不景気で給与の少ない人も多い現状や理不尽な要求や不正などもある上司や社会に対する反社会的な感情を代弁し、爽快に解決してくれる、負の感情の消化をしてくれるようなドラマを求めているとも言えるのだ。

ドラマの趣向の違いや裏番組の影響など、様々な要因はもちろんあると思いますが、ストレス社会といわれる時代に、ストレスや負の気持ちを持っている自分とドラマの主人公を重ね合わせている人が多いのかもしれない。

上手くドラマやメディアなどを利用し、
楽しみながらストレスを少しでも軽減できれば非常に良いだろう。