ジブリ作品は「崖の上のポニョ」公開以来5年振りの長編アニメとなる。
「風立ちぬ」
ジブリ作品ファンならすぐに気づくだろう。
ならずとも気付くかもしれない。
この「風立ちぬ」というタイトルの違和感に・・・
風立ちぬには足りない・・・
「の」が入っていないのだ。
宮崎駿のジブリ作品には必ず今までは「の」が入っていた。
「の」が入っていない作品はヒットしないとまで言われている。
例えば、「カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」「天空の城のラピュタ」などなど。
結果、「風立ちぬ」はどうだったかというと・・・しっかり大ヒットした。
さすがというべきか・・・。
興行収入120億円とのことだ。
気になるのは声優陣
「風立ちぬ」のストーリーが気になるのはもちろんだろう。
しかし、もっと気になる部分がこの作品にある。
それは声優だ。
主人公の堀越二郎-庵野秀明
ヒロインの里見菜穂子-瀧本美織
本庄-西島秀俊
黒川-西村雅彦
カストルプ-スティーブン・アルパート
里見-風間杜夫
次郎の母-竹下景子
堀越加代-志田未来
服部-國村隼
黒川婦人-大竹しのぶ
カプローニ-野村寛斎
となる。
気づいただろうか。
本来声優と呼ばれる職業の人達ではないのだ。
さらに注目すべき声優のキャスティング
普段は役者や女優であり、
さらに注目すべきは主人公の堀越二郎役の声優が新世紀エヴァンゲリオンの監督、庵野秀明ということだろう。
このキャスティングには当時世間から賛否両論の声があった。
映画を見た人間からは、”下手””ひどい”という声の方が多かったのではないだろうか。
実際に下手か上手いかでいえば間違いなく下手だった。
しかし、宮崎駿監督がこの作品において、伝えたいことというのはそういった表面的なものではないのだと思う。
庵野秀明という人物と風立ちぬの主人公堀越二郎との間には宮崎駿のフィルターを通した際に重なり合う何かがあったのだ。
宮崎駿にとって、この「風立ちぬ」というジブリ作品には、表面上の上手さなど必要なく、心底から伝わるものを作りたいという表れなのではないだろうか。
風立ちぬは分からない人間は放っていくスタンス
アニメーションとして良い作品を作ろうと思えば、本職の声優さんを使うほうが良いということなんか素人にでも分かる。
無難といえばそれまでだが・・・必ず失敗はない。
だが、あえて、それをしない宮崎駿の采配は素晴らしい。
そして、内容とともにアニメーション作品としても自信があるのだと感じる。
全く見ている人間の為に作られた作品ではないのではないだろうか。
宮崎駿は全く媚びていない。
凡人には出来ない天才的というか奇才的というか・・・
色々と話題を呼ぶジブリ作品からは今後も期待したい。
風立ちぬ関連参照記事
⇒『風立ちぬの主題歌!松任谷由実のひこうき雲をカバーしているアーティスト達!』